女子大生(SMAⅡ型)の車いすへのスマホフィッティング

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国際会議 i-CREATe2017 と併催された 第32回リハ工学カンファレンス in神戸
私は,i-CREATeの方でポスター発表,リハ工で共同研究者の笹倉さん(ALS患者)がエロゲームを開発する発表をしました。
これはこれで素晴らしい経験になり,今後が楽しみな研究です。

一方,何気なく聴講していたリハ工の一般演題の中に興味深い発表がいくつかありました。
そのひとつが,油田優衣さん(京都大)による以下の発表でした。

  • 大学生活と一人暮らしにおける福祉サービスの現状と問題点

若干20歳の大学2年生の発表でありながら,実に整理された内容でたいへん驚きました。

油田さんは,SMAⅡ型という希少疾患の患者当事者であり,車いすユーザーです。
発表後に少しお話しますと,視線入力に興味があったり,スマホやパソコンの操作に問題を抱えているようでした。

次の日,リハ工の会場で待ち合わせて,かのテクノツールさんのブースを借りていろいろフィッティングを行いました。
島田さんには大変お世話になりました。

まずは,Zono
頭部の動きでマウス操作を行うものです。
ややお高い装置ですが,カッコイイし安定して動作します。

実は,油田さんをひと目見て,テクノツールのMOMOがいいだろうと思っていたのです。
一度,どこかの展示会で体験したことがあり,イマイチだったと言っていましたが。。。
それでも,うまく設定できればきっと生活の助けになるはずだと感じました。
今回は島田さんがササッと熟練のワザで設置したこともあり,前回の体験よりもいい感じで使えていたようです。

このMOMOとスマホの固定具をしっかりすれば,車いすや机に座っている時のスマホ&タブレットPCの操作環境はグッと改善するでしょう。

スマホの固定具は以下です。
ポランの広場では定番の道具ですね。

こうして固定すれば,うっかりスマホを落とすこともありませんし,何よりも操作性が向上します。
机でもベッドでも使えますので,費用対効果の高い固定具に違いありません。
多くの車いすユーザーにとって,スマホ等の機器の固定は大きな課題。
外出時にスマホはかかせませんから。

ついでに視線入力も。
まあ,油田さんは超高速フリック入力ができますから無用なものです。
それでも,いちおう興味があるということでいくつかのゲームを体験してもらいました。
もちろん,上手でした~。

油田さんは,同じ疾患を抱える人たちにとって大きな希望になっています。
これからも大学生活を楽しみながら,いろいろなことにチャレンジしてほしいですね。
今後,支援技術部分では協力できればと考えています。

 

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