大学教員の就職活動②

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前回は、企業への就職との違いについて述べてみました。

大学教員の就職活動①

今回は「資格」について考えてみます。
そもそも大学教員になるための資格はあるのでしょうか。

結論からいいますと、ありません。
ただ、分野にもよります。
特に医療系ですと、免許という資格が大前提です。
当たり前ですね。

求人サイトの JREC-IN で、東京都内のある理工系国立大学の応募資格を確認すると以下の一文がありました。

  • 博士の学位を有すること(着任までに取得見込みを含む)

これだけです。
非研究系・教育系の大学だったり、過去にもろもろの採用における「反省点」のある大学はたくさんの条件が付いていたりします。例えばこう。

  • 博士の学位を有する方、またはそれと同等の研究業績を有する方
  • 専門分野における教育・研究上の能力を有する方
  • 大学院博士前期・後期課程の研究指導を担当できる方
  • 本学の「建学の精神」に基づき、学生指導や学内諸行事に熱意を持って取り組むことができる方

「建学の精神」はいいとして、「学内諸行事に熱意」がクセモノです。おそらく、熱意をもたない教員がいるのでしょう。
一般に、中堅以下の私立大学でこれらの条件が増えるようです。
いわゆる旧帝国大学など、研究に力をいれている大学はあっさりしたものです。

応募したい大学にあんまり具体的な記述がある場合は、ツテを使って状況を確認するべきです。
もちろん、あっさり記述でも本命の大学にはさぐりを入れるべきでしょう。
ただし、応募倍率はたいてい数十倍ですから、そんな努力も水の泡と化します。
それでも淡々とやり過ごす器量が必要なのは言うまでもありません。

以上のことから、資格の最低条件は「博士の学位」、「同等の業績」か「学位の取得見込み」です。
それ以外は、大学によりそれぞれです。
つまり、大学教員になるにあたって「博士の学位」しか確かな条件はないといえます。
大学教員になるための資格は、免許の必要な職種に比べれば何でもありな状態です。
その条件さえも「同等の業績」により覆りますが、間違っても自己申告の業績ではありませんから、たいていは一般の人にとっては関係ありません。
元国家公務員キャリア・著名な芸能人や芸術家などがこれに当てはまります。

「博士の学位」だけでいいの?と思う人もいるでしょう。
実際に、これだけの記述では分野も不明ですし、その実力のほども分かりません。
免許のように最低限の知識を保証するものでもないからです。
そこで重要になるのが、論文等の研究業績になります。
小保方さん問題を引き起こしたのもこれが原因でした。

以下は私の研究業績。

論文(ポランの広場)

たいへんお寒い業績で、鼻であしらわれるのを覚悟でリンクをはりました。
(査読あり)が少ないですし英語論文もごくわずか。
いわゆる「学会発表」などは研究業績にはあまり意味がありません。
つまるところ、他の研究者との交流、自分にハッパをかけるためのイベントです。

ほとんどの研究者は私よりも優秀ですから業績も多いでしょう。
では、業績が多ければ多いほどよいのか?
多いのはよいことですが、採用にあたってはそればかりではないのです。

次回は、研究業績と採用条件に関する話題です。

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