視線入力装置は自作できます。
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視線入力装置は自作できます。
これまで,いくつかのタイプが世の中に出てきました。
もっとも有名なのが「ITU Gaze Tracker」。
ハードウェアおよびソフトウェアが公開されており,きちんと指示通りに工作できれば装着タイプの視線入力装置ができあがります。
Gaze Speaker などの視線入力ソフトウェアも対応しています。
装着タイプであることから,顔と視線入力装置の位置関係が固定されており,キャリブレーションが比較的やりやすい特徴があります。
使用するカメラは普通のWebカメラなので,自作すれば安価に済むのも大きなメリットです。
ただし,視線抽出技術としては不安定になりやすい傾向があるので注意が必要です。
Tobii社の視線入力装置のような,赤外線を使った「角膜反射方式」に比べると精度はあまり期待できません。
同方式に「The Eye Writer」や「EyeCan+」があり,「ITU Gaze Tracker」と同様にハード&ソフトが公開されています。
Webカメラを使っているのも同様で,すべて市販品で作れるのがポイントでしょう。
ソフトウェアを改良して,オリジナルの視線入力システムを構成することも可能です。
EyeCan+(サムソン電子)
【両手が不自由な障がい者にも】視線の動きで操作するマウスをSamsungが開発
http://techable.jp/archives/24068
富山県高志リハビリ病院では,「The Eye Writer」ベースにして「The Eye Mouse」を製作しています。
これもまた同様に,Webカメラをベースにしています。
岩手県立大学では,同種の技術を大幅に改良して,一部研究において自作視線入力装置を活用しています。
マルチモーダル視線解析機器の実用化技術(PDF)
上記の自作可能な視線入力装置は,大きな可能性を秘めながらも製品化される見込みはありません。
Webカメラを使う方式の視線抽出技術では,精度と安定性の問題が払拭できず,製品として出すには課題が多いのです。
そのような状況で,スウェーデンのTobii社は精度の高い視線抽出技術で他社を圧倒しており,一部研究用途を除けばほぼ寡占状態。
デンマークの THE EYE TRIBE はTobii社の装置に匹敵する精度を実現していますが,安定性や信頼性は今一歩。これからに期待です。
翻って,日本産としては,あの富士通が数年のうちに視線入力装置を組み込んだ製品を出してくる見込みです。
コンシューマ向けとして安価に市販されればそのインパクトは小さくありません。
(研究用としては様々な装置がありますが,一般に高額です)
目は口ほどにものを言う」視線検出技術で広がる未来の可能性
http://journal.jp.fujitsu.com/2014/09/09/01/
エンドユーザーとしては,Tobii社以外に,精度がよく安価(10万円以下)な視線入力装置が登場するのは嬉しいことですね。
あとは,視線入力で安価に便利に使えるソフトです。
これがまだまだ決定版が出ていない状況です。
https://www.vector.co.jp/soft/winnt/util/se517161.html
こんなの見つけたんですけど、マウスワープいけそうじゃなですかね❓なのがなんとも言えませんけど。笑
まだ試していないのでお試ししたらレビュー書きます。