ナマハゲ先生による渾身の視線入力実践報告書(2018年度版)

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ナマハゲ先生の報告書

秋田のナマハゲ先生が,今年も視線入力を授業に取り入れた実践報告書をまとめました。視線入力の障害者利用について関心のある方にとって,かならず参考になるものです。

今回のトピックは,「視線計測」と「発達課題表」。私も大変参考になりました!

参考のため,”はじめに” と ”研究の目的” を引用しておきます。

1 はじめに
本校は、小学部から高等部まで102 名が在籍する肢体不自由の特別支援学校である。在籍する児童童生徒の多くは身体の動きに制限があり、日常的に補助用具や補助的手段の工夫が必要である。さらに、肢体不自由と知的な障害を併せもつ重度重複児童生徒のコミュニケーション面への支援方法の工夫が必要とされている。
昨年度までの2年間、本校中学部生徒に国語の学習においてローコスト視線入力装置を活用して事例研究に取り組んだ。以下に、研究の成果を3つあげる。

① 装置の設置状況に左右される支援技術であり、装置の設置には留意するべきポイントがあった。
② 視線入力装置を使用するユーザーの継続的な視線入力トレーニングが必要である。視線入力のスキル向上と機器活用のモチベーション向上には関連が見られる。
③ 視線入力装置を使用するユーザーの実態やニーズに適合するソフトウエアやハードウエアが必要である。

高橋正義,「ローコスト視線入力装置を活用した肢体不自由児童のコミュニケーション指導における実践研究」,2019年

2 研究の目的
本校には、肢体不自由を有し、発語して伝えることは難しいが眼球の動きや視線、まばたき等で周りに何かを働き掛けようとする児童生徒が在籍している。そのような児童生徒の理解力や認知力に関する担任からの情報を聞くことがあったが、これまで確かめる客観的手法がなかった。しかし、視線入力装置の導入により、視線の動きを可視化するだけでなく、視線の動きで外部に働き掛けることが可能になった。このことを踏まえ、児童生徒のコミュニケーションの学習にローコスト視線入力装置を活用できないだろうかと考え、これまでの研究で得られた3つの成果を軸に新たな実践研究に取り組むことにした。


高橋正義,「ローコスト視線入力装置を活用した肢体不自由児童のコミュニケーション指導における実践研究」,2019年

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