いよいよSMAっ子のMMDクリエーター誕生!?

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江戸からモリーオ市への帰りの途中,那須御用邸のあの那須にお住まいのSMAっ子りょうたくん(中学2年生・14歳)を訪問。急な訪問にもかかわらず暖かく迎えていただき感謝に耐えません。りょうたくんとは実に3年ぶりの顔合わせ。前回はこんな感じでしたね。仙台のイベントではじめて会いました。

お母さんの熱心なPC利用へのアプローチ。これ以降,視線入力にも本格的に取り組み,今ではmiyasuku EyeConSW を導入するに至っています。

さらに,りょーたくんはヲタクの世界へダイブ!相当なところまでイッてしまいました。お友達もそちらの趣味の子が多いとのことで,何とも楽しそうです。お部屋にはフィギュアやエアガン。そうそう,ヲタク趣味とエアガンは切っても切れない関係。何ででしょうね。

見てたり集めたりするだけでは飽き足らなくなった今では,MMD(MikuMikuDance:みくみくだんす)を駆使して,ムービーを作りまくっています。そして,それをYotubeに公開。

ちなみに,MMDの基本機能は以下らしい。。。

  1. モーション作成時・再生時ともリアルタイムレンダリング
  2. WAVファイルと同期しながら作業できる
  3. AVIファイルを背景に表示しながら作業できる(他の動画の踊りを再現しやすい)
  4. vsqファイルでリップシンクできる

3Dミクを躍らせるツールを自作してみた(説明前編) より

つまり,キャラクタの動きを保存したデータ・キャラクタデータ・音楽や背景画像を使って,オリジナルの3Dアニメーションが作れるということですね。りょーたくんはどっぷりその世界に浸かっていました。UFOキャッチャーで取ったと思われるたくさんの小物。お母さん,取るのがウマすぎますね。りょーたくんのヲタク性質は遺伝かもしれません。パソコンの操作手段は赤外線マウスとそれを改造して外出したスイッチ。お母さんによるものです。

こうした愛情たっぷりの環境で作った作品がコレ!2018年2月13日現在の最新作です。

動画編集ソフトもサクサク使いこなして,創作活動を淡々と続ける姿はまさにクリエーター。かたわらにはサポートするお母さん。できあがった映像には,エライかわいらしい背景に,肩出しルックの巨乳アイドル。中2の妄想は恐ろしい。寝たきり状態のりょーたくんが夜に送り出した,中2病的ダンスアニメーション。異色のコラボレーションです。現在7動画が公開されています(猫好きりょーた)。

これまで重度障害者のパソコン利用というと,おのずとコミュニケーション支援が主な目的でした。今の時代は,Yotuberが子どものなりたい職業の上位に挙げられるように,どんな人もクリエータになって発信者になれるのです。もちろん,重度障害者・児だってそう。子どもたちはそれを肌感覚でわかってます。道具はパソコン+α だけで済むのですから,操作が何とかなればあとはセンスと努力。りょーたくんはその入口に立ったといえるでしょう。

道具がどんどん進化していき,人間に求められる素養はより創造的な能力になっています。重度障害者はどうしても生産性は低いかもしれませんが,適切な支援さえあれば創造性を活かした活動においては他の人と同じ土俵で渡り合えるのです。事実,この動画を見た人は,まさか人工呼吸器を着けた子どもが作ったとは思っていないでしょう

一方で,ここまでできたのはお母さんによる「空気を読まない」勢いの支援があったからこそ。学校との摩擦や制度のハザマでの悩みなど,さまざまな困難があったことでしょう。さらには,来年の高校進学問題や社会での自活問題など。。。

少なくとも,人工呼吸器を着けた子どもだって,事実上義務教育になっている高校には行けるようになるべき。それが許されない現状には私も頭が痛くなります。オトナの都合で子どもたちの可能性を勝手に決めつけたり潰したりしない社会であるべきです。重度障害児にも,こんなに可能性があり世の中でイキイキできるはずなのに,社会的なフォローが実に少ない現実。私の研究とはどんどん離れていってしまうけど,無視できない問題です。

では,どうすればいいのか?まわりの人が声を高らかにしても何も変わらないのなら。。。りょーたくん,まずはセンスとテクニックを向上させてアホなオトナをびっくりさせる作品を用意しておいてね。それが何よりの防具にもなり武器にもなります。

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