非接触スイッチもイイね!

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SMA1型男子生徒に OAK Cam のエアスイッチを適用しました。
OAK はモーションヒストリーが主力機能であり,エアスイッチはオマケと考えられます。
開発チームもそのようなことを言っていましたしね。

意思伝達装置のスイッチとしては,エアスイッチの遅延は無視できませんし,照明環境が誤動作の原因にもなったりで不確定要素が多すぎます。
つまり,実用においては再現性や安定性がきわめて低いのです。
正直なところ,お遊びで紹介するくらいにしか使えませんが,非接触スイッチの可能性は十分に示してくれます。

今回の適用は授業の一環ですから,再現性や安定性はおいておいて,成功体験の獲得を目指しました。
使用したセットは以下です。

対象の生徒は,四肢はほぼ全廃,比較的随意性が保たれているのは右目のみという状況。
訪問教育を担当している教諭は,ここ最近は筋電等試していましたがうまくいかず。。。
まあ,筋電系はまず実用している人はいないですからね(^_^;)

まずは,OAKのエアスイッチ機能を使って,右目に矩形のスイッチを設置。
眼振のため常時輝度変化が生じることから,目分量でスイッチのしきい値を変更。
その上で,ワンスイッチゲームの「コイン落とし」により,随意性を確認しつつ設定を行いました。

「コイン落とし」は,テキトウにスイッチを押してゲームが成り立つのですが,動く箱にコインを入れるとよりたくさんのコインが出てきます。
随意性を確認する時は,その動く箱に入れてもらうように促すといいですね。
ちなみに,エアスイッチの出力はSPACEキーにして,「コイン落とし」が認識できるキーアサインにしました。

結果,いい感じにできました!

ワンスイッチゲームのコイン落としをやってみると,初めは的(動く箱)に関係なくコインが落ちていましたが,数分続けてやっているうちに,的となる箱の中に次々とコインが吸い込まれていくではありませんか!

生徒の意思を感じました。

担当教諭K

さて,エアスイッチのような非接触スイッチは,まだまだ未開拓な分野であるため改善点がいろいろあります。
少なくともOAKのエアスイッチについては,単純すぎる処理(たぶん)なので実用に耐えません。
リアルタイム性を犠牲にしない範囲で大胆な処理を加える必要があるでしょう。

以前,口文字盤の解析研究を行った時に使ったオプティカルフローは使えそうです。

口文字盤の定量解析(2013) (2016年5月25日)

動きの検出を輝度値のようなスカラー量ではなく,ベクトル量に落とし込むのです。
また,可視光画像もいいのですが,できれば赤外線画像で照明環境の変化をできるだけ低減したいところ。
当然,カラー画像にこだわる必要もないので,2値画像化するのも手かもしれません。
実用するには,自動キャリブレーションも必須ですね。

当然ながら,非接触のため力感がありません。
ダミースイッチか,振動子などによるフィードバックも必須でしょう。

いずれも単純ではありますが,世の中での必要性がありますし,やりがいのある研究になりそうです。
私ができればいいのですが,仕事の負荷がなあ。。。

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