(報告)重度障害者のための視線入力シンポジウム in 出雲国

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去る2017年11月5日の日曜日,出雲国は松江市内の松江医療センターで「重度障害者のための視線入力シンポジウム in 出雲国」を開催が開催されました。
この3年で Tobii EyeX Controller が発売され,無料の対応ソフトも登場し,ローコスト(数万円)でも視線入力環境が整うようになってきました。

しかし!実際に安定して使うにはなかなか大変。
確かに,ハード&ソフトがそろってきてはいますが,実用上,どのように適用するのか判然としない問題がありました。

そこで,全国の重度障害者の視線入力関係者を一同に会して,ノウハウなどを共有できる機会を設けることにしました。
ちょうど出雲国大学の予算も使えることとなりグッドタイミング!

実行委員長は言い出しっぺの私。
実行委員は松江医療センターのスタッフをはじめ,島根大学医学部のリハスタッフなどが担当しました。
無償ボランティアでの協力ですからほんとうに頭がさがりますm(_ _)m

さて,シンポジウムの報告です。

企画内容は盛りだくさんで,各担当者は趣向を凝らしました。
プログラムなどはこちらのページにあります。

驚くべきことに,当日,全国から集まった人数は150名!
松江医療センターの大会議室は参加者でぎっしりでした。
これだけ視線入力が注目されているということですね。
開催してよかった〜。

視線入力のユーザーさんも遠くから来てくれました。
やはり,話だけでなく,実際に使っている人の状況を見るというのは大変重要でしょう。
SMAⅠ型当事者の田中あかりさんは近江国から参加してくれました。

いやー,戦闘機のコックピットのようですね。
ざっと見ただけでも,ディスプレイが4面もあります。
もちろん,それぞれを自分の意志で使い分けています。

午前中は,視線入力で実践を積んでいる方々からの「事例発表」。
授業・療育はたまたゲーム操作を視線で行おうという岡元さんの発表まで多岐にわたるものでした。

そして,午前部を締めくくったのはALS当事者の三保さんを聞き手とした「ミホコの部屋」。
徹子の部屋のBGMで開始♪

三保さんは視線入力ですべての発話を行いました。
絶妙なタイミングでツッコミを入れる三保さん,サイコーです!

ランチセッションを挟んで,午後の部はパネルディスカッションの「教育・福祉における視線入力の未来」。
国内の開発者・研究者とスーパーユーザーを集めた濃密メンバーで構成しました。
これだけのメンバーでのパネルディスカッションはもうできないでしょうね。

ちょっとドキッとしたシーンもありましたが,おおむね話はまとまったかなと。
機会をみて当日撮影した動画をアップしたいと考えています。

最後の企画は「エキスパートに聞け!」
登壇者たち(視線入力の第一人者たち)とフランクにお話できる時間を設けました。
直にいろいろお話できるので,双方にとって有益な機会になったのではないでしょうか。

会場のすぐ近くでは,機器展示が行われました。
さまざまな視線入力システムやその応用品。
無料のソフトから福祉制度で購入できる意思伝達装置まで実に幅の広い展開です。

もちろん,EyeMoTシリーズ with バイブマンも実演し,日本賞の受賞品も堂々展示しました。

最後の最後までたくさんの人で賑わい,企画した私としても大満足でした。
私が言うのもアレですが,大成功と言っていいでしょう!

ちなみに,前日には懇親会を行いました。
登壇者のみならず,参加者の方も一緒に交流を深めました。

後日,地元の山陰中央新報でシンポジウムの記事が出ていました(下写真の下段)。

みなさま,またお会いしましょう!

2017年11月18日
伊藤史人

南部国盛岡市内の病院より

 

(報告)重度障害者のための視線入力シンポジウム in 出雲国” に対して3件のコメントがあります。

  1. ナマハゲ より:

    伊藤先生
    ナマハゲ国から馳せ参じたかったですが、諸般の事情により断念。
    ご盛会の様子が伝わってきました。
    ビデオのアップを待っています。
    弥生、江戸には馳せ参じたいと思います。
    どうぞよろしくお願いします。

    1. Fumihito ITO より:

      こちらこそ、よろしくお願いしますね。

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