脳性麻痺児の天然ママ、最強の報告書を発表!

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身体障害によりコミュニケーションが困難な場合でも,それを補う様々な方法が「あるかも知れない」と,多くの親が思うものです。

しかし、それをどう実現するのか誰も教えてくれません。そう,役所でも支援学校でも。

今回紹介する報告書は,障害生徒の母親が記したものです。ひと目みただけで,これは書き慣れた人による報告書であることがわかりました。考察が,実に客観的かつ簡潔に記されています。慣れない人が書くと,たいていは感情が前面に出るものなのです。

世の中には,障害生徒のコミュニケーション支援に関する報告書はたくさんありますが,極めて近い肉親が客観的な報告書としてまとめた例はそう多くないでしょう。

以下は報告書の「はじめに」から。

息子(以下Yとする)は原因不明の仮死状態で出生後、8 ヵ月の時にアテトーゼ型脳性麻痺の診断を受ける。日常生活は全介助の状態が続いたが、成長と共に家族には目線で意思表 示できるようになった。Yが 4 歳の夏、私の腰痛のため急遽リハビリ施設に 1 週間預ける こととなった。わずか 1 週間であったが、Y の仙骨部には褥瘡ができていた。

思い返せば 痛そうにしていたが褥瘡に気付くことができなかった。この出来事をきっかけに、Yに、自 分の思いを他者に伝える力を何としてもつけさせたいと思った。そして、将来を豊かに過ご して欲しいという強い思いから意思疎通の方法の模索が始まった。

教師の協力を得ながら試行錯誤の結果、現在は、視線入力装置マイトビー(以下「マイト ビー」という)やスイッチ入力装置レッツチャット(以下「レッツチャット」という)を使 い、徐々に自分の思いを周囲に伝えることができるようになった。今回、ここに至るまでの 学校と家庭の取り組みを報告する。

実践報告書「子どもの思いを伝えたい 〜個別の教育支援計画を通して教師と家庭の二人三脚の歩み〜」

この良性の天然ママによる,良質な報告書は一読の価値があります!

実践報告書「子どもの思いを伝えたい 〜個別の教育支援計画を通して教師と家庭の二人三脚の歩み〜」

2019年9月「何とカンファレンス」にて

脳性麻痺児の天然ママ、最強の報告書を発表!” に対して5件のコメントがあります。

  1. 芝 多香子 より:

    全文を読みたいのですが、どこで読めるのでしょうか?

    1. Fumihito ITO より:

      ここの記事内にリンクがありますよ。

      1. 芝多香子 より:

        ありがとうございます!
        タブレットでダウンロードしたら読めました!

  2. 永見邦子 より:

    スマホでも全文読めますか?

    1. Fumihito ITO より:

      やってみてください。

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