重度重複障害児の視線入力、「アセスメント以前」に必要なこと

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重度重複障害児への視線入力の適用は簡単ではありません。

EyeMoT「風船割り」で,ふわふわ動いている風船を目で追っているように見えても,重度重複障害児の場合,それは反射的な「追視」であって能動的な操作ではありません。

だからといって,それに意味がないと誰が言えるのでしょうか。

過大評価するのはたいへんキケンではありますが,日常的に過小評価されがちな子どもたちにとって,意図的なマグレは必要なこともあります。

EyeMoTの風船割りは,アセスメントをベースに,主に「成功体験」を積むことを目的としたゲームです。

一方で,「アセスメント以前」の環境改善を目的としているゲームでもあります。

その環境改善とは,まわりの人たちが子どもの可能性を信じること を意図的に醸成することを意味します。

たとえ偶然や反射の視線入力で風船が割れたとしても,その子の目で行ったことは確かです。

健康な人も,本物の射撃のマグレ当たりは嬉しいもので,マグレをきっかけにがんばれることもあります。釣りだってそうですし,もしかしたらパチンコや競馬も(^_^;) ビギナーズラックなんて,便利な言葉も用意されているくらいで。

ギャンブルはさておき,「なにもできない」とされていた子どもが,偶然でも反射でもいいから,何かを「やったかも」という現象はまわりの人を勇気づけるでしょう。

まして神の手でもありません。

その「やったかも」は,子どもを信じる大事な大事なきっかけになります。

確かに,客観的なアセスメントはとても重要です。

でも,「アセスメント以前」に必要なことは,まわりの人たちが子どもの可能性を信じること なのです。

まわりの人が子どものために動くには,希望をもって可能性を信じる必要があります。

なぜなら,重度障害者は本人がやる気になっても,まわりが動かなければ何も起きないからです。重度重複障害児となればなおさらでしょう。

ちなみに,EyeMoT「風船割り」の設定では,風船の動きを固定したり,ひとつの風船しか出ないようにして,偶然や反射の影響を積極的に取り払うことが可能です。

つまり,アセスメントとして活用できる設計になっています。

「アセスメント以前」は人の気持の世界。

子どもを信じる気持ちを,客観化という鋭いナイフで切り刻むことに何の意味があるのでしょう。

誰だって,人の希望を奪ってはなりません。

まずは信じることから始めましょう。

どんなことだってそうですね。

2 件のコメント

  • わかっていないということを決めつけない。わかっていないということもわからないと思っています。
    なのでやってみる価値があるはずだと思います。

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