この期におよんで「予算がない!」といいますか?

まずは結論から。

予算は作りましょう

コレ以外の言葉が見つかりません。

自動的に降ってきた予算は,有効に活用されないのはどの世界でも同じこと。
自らが動いて獲得した予算だからこそ,有効に活用されるわけです。
小学生だって,自分のお年玉で買ったおもちゃは大事にします。

支援機器が必要な対象者は,今すぐにでも必要です。
子どもだったら将来に関わります。
思い当たる対象者がいましたら今すぐに動き出しましょう!

さて,支援機器導入で問題になるのは主に以下の理由かもしれません。

  1. そもそも何を用意していいのかわからない
  2. 導入してもスキル不足で維持できそうにない(≒自分は担当したくない)
  3. 導入する予算がない!

一番よく聞くのがこの3の予算問題。
そして,一番簡単に解決できるのも3。
だって,病院や支援学校で使う個人向けの支援機器は,そもそも「ICT機器」としての単価は高くありませんし,必要な数は限られています。

支援機器導入の初歩的な段階において,まして効果を検証する状況では間違っても数百万円以上の費用にはなりません。
さまざまな支援機器の中でもっとも高価に思える視線入力装置でも,10万円程度のローコストのもの(システム一式)で代替できます。

一方,いわゆるホンモノのICT環境導入なら,企業や役所がかけるコストは少なくとも数千万円以上になるでしょうし,そんなシロモノは現場の職員がマネージするものではありません。
たとえば,『1,000台の個人用端末をすべて仮想化してどこからでも同じデスクトップ環境を使えるようにする』『組織内のワークフローを見直してすべての業務システムをクラウドに移行する』などです。
さすがに,これらについては「予算がない!」が通用するでしょう。

病院や支援学校における当事者支援の「ICT機器」は技術的にはすでに成熟しているものを使っており,業務用システムに比べれば桁違いに安価で小規模です。
一番高額なコストは,そうスタッフ(コメディカル・教員など)の人件費。
それにまさるコストはありません。

もっとも高コストの資源(スタッフ)が「予算が〜」と嘆いているのでは,もはやコント。
お給金を返納しましょう。

ここでは,視線入力装置のような近年急に導入しやすくなった支援機器を例にあげて「予算問題」を解決してみます。

周知のとおり,公立組織の予算の仕組みは旧態然としており自由がききません。
妙に多くの書類が必要ですし,仮に予算があったとしてもすぐに購入できません。
1万円のものでもアイミツが必要だったり,まだまだ印鑑原理主義が残っていたりもします。
もはやこんな組織たちはアポトーシスすべきなのはわかります。
でも,それらに目を瞑っても,できることはたくさんありますから大丈夫!

目の前の予算がない,もしくはなかなか予算が認めてもらえない場合はどうしたらよいのでしょうか?
具体的には以下の方法があります。
ただし,目新しい支援機器を導入する段階でのこと。
毎年継続的に多額(数十万以上)の予算配分が必要なケースは想定していません。

  1. 割り勘で購入する
    コレが一番ラクですし現実的です。最大10万円くらいまでのものなら,ひとり1万円くらい出してみんなで購入し,使い方を覚えて当事者に適用してみましょう。自分たちで買ったのだから自由に使えるのがいいですね。
  2. 決裁権のある人に支援機器を実際に体験してもらい,その効果を体感してもらう
    失敗させずに楽しくできることが重要で,への字口のおっさんでも笑顔になるようなものにしておく必要があります。モノは,デモ機やすでに購入している人や組織から借りてきましょう。1で購入したもので実施するのベスト!
  3. 当事者を含めた支援機器のワークショップを行い,導入の機運を高める
    効果を確かめて「これ欲しかったやつ!」という仲間を増やしていきましょう。仲間は割り勘要員とします。
  4. 研究活動費の公募に応募する
    研究活動費100万円くらいの少額の公募はけっこうあります。文章力とこれまでの実績がモノをいいますが,一度当たればコツが分かってきます。
  5. 「研究施設」を自称し,新しい支援機器の実験台になる
    開発中の支援機器の実験施設となって,無料で機器を提供してもらいましょう。開発会社は意外と現場を知りませんので,病院や学校が「実験台になります!」をアピールすることで費用対効果の高い結果を生みます。
  6. その他
    使用者死亡や買い替えなどでいらなくなった支援機器をもらう・モニター利用に応募する・割り勘が難しい場合は自費で買ってしまう・当事者家族に用意してもらう などが考えられます。

予算は降ってくるものではありません。
いつの時代もどんな組織でもそうでしょう。
時には自らもイタイ思いをすることも含めて,予算を作り出す必要があります。
年間数百万円のコストがかかっているスタッフが,たかが10万円程度のものが用意できないはずがありません。
もし,それができないのであれば,ただ単に無策なだけと言えるでしょう。

ちなみに,ダメダメなのは以下。

  • パンフレットもしくは研修で見聞きした情報だけ持って「事務の人」に折衝する
    最低最悪。予算が通る確率がもっとも低いでしょう。
  • 来年の予算を待つ
    そんなものはありません。今10万円程度の予算が確保できないなら,きっと来年もゼロ回答でしょう。
  • 自作に傾倒する
    工学系の教育を受けて,メーカーなどで技術者としての勤務経験がない人が自作しても,耐久性のない独りよがりの,壊れやすいワンオフのおもちゃができるだけです。いくつも作ることができて誰でも入手しやすいものが作れるなら話は別です。

支援機器の導入のいかんによって,子どもの人生が変わることもあります。
当事者のQOLも向上するかもしれません。
いや,確実に人生を変え,QOLを向上させるでしょう!

ここにまた証明いたします。

7 件のコメント

  • 「北風と太陽」の太陽で行きたいと思います。
    厳し目の内容ですが、受け止めて、自分なりのやり方でやっていきたいと思います。

    • たしかに厳しいのかもしれませんね。
      一方で、「予算がない!」という大抵の教員がやっていることといえば、事務員に予算(物品)をお願いする程度なのも事実。
      それではうまくいくわけがないのです。

    • はい、この10年ちょっとは公的機関で勤務しているので、ガッコーの予算の仕組みはおおむね分かっています。

  • 昨日の研修会でも教員の方が、予算がないので買えませんと話されていました。言い訳しないように、子供ために働きたいです。

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