【ご報告】第60回吉川英治文化賞を受賞しました
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ご縁がつながり、大変栄誉な「第60回吉川英治文化賞」を受賞しました。
- 第60回吉川英治文学賞/第11回吉川英治文庫賞/第47回吉川英治文学新人賞/第60回吉川英治文化賞受賞者決定のお知らせ(講談社)
- 過去の受賞者(Wikipedia)
4月10日、帝国ホテルにて贈呈式が行われます。招待者として、私がテクノロジーを活用した障害者支援を行うきっかけとなった全盲の元教諭や、この10年で特にお世話になった方たちが列席します。お声かけしたかった方はもっともっとたくさんおりますが、限られた座席数のためごく一部の方となりました。申し訳ありません。
4月か5月に東京都内および岩手県内で、別途集まる会が開かれるとのことですので、その際に改めて感謝をお伝えできればと考えています。


思い返せば6年前、ワタクシのボスだった橋本操さん(ALS・さくら会代表)が、同じ吉川英治文化賞を受賞していました。まさか、自分が受賞するとは思いませんでした💦
以下、講談社に送った「受賞のことば」です。もっと推敲すればよかったですが、600文字に思いを込めました。
受賞のことば
「何もわかっていない」と思われてきた子どもたちとの出会いの中で、私は「本当はわかっているのではないか?」と感じることが多々ありました。その可能性を信じ、EyeMoTを活用して現場に向き合ううち、それが「確信」へと変わる瞬間に何度も遭遇してきました。
多くの場合、変化のきっかけは周囲の大人が「わかった」ことでした。子どもの意思が可視化・客観化されることで、周りのまなざしが劇的に変わるのです。子どもは、誰かに自分の思いが伝わったと実感したとき、瞳を輝かせ、覚醒を高めていきます。小さな表出を周囲が拾い上げ、フィードバックを返すことで起きる現象です。私たちは、障害という「見た目」に騙されていただけなのかもしれません。
では、重い障害のある子どもたちと関わる意味とはどこにあるのか。例えば「病気」は苦しいものですが、それを治そうとする研究は、私たちの身体への理解を深めてくれます。同様に「障害」は、社会のあり方を問い直す指針となります。障害の重い人たちは、身をもって社会の改善点を示し、テクノロジーの進歩を促してくれる存在です。未来の進化した社会とは、障害の重い人が人生を謳歌できる世界であるはずです。なぜなら、人は誰しも、いずれは病を得て、障害に向き合う時が来るからです。
私自身、2017年に肺がんステージ4を宣告され、人生の時限装置が動き出しました。しかしそれは、活動を加速させる「ポモドーロタイマー」となり、私を今回の受賞へと導いてくれました。このような栄誉ある賞を賜りましたこと、深く感謝申し上げます。2026年3月5日
伊藤史人
