コミュニケーション支援機器 ≒ 視線入力装置 ≒ Tobiiの装置、国によってはね。

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日本においては,意思伝達装置の支給制度の影響もあって,一般に視線入力装置は縁遠い存在になりがちです。
ただ,そんな日本においても,一部の富裕層は視線入力装置を自費購入して,極めて高いコミュニケーション環境を保っています。
代表格は,日本が誇る三保さん!

ALS恐るるに足らず / 三保浩一郎さん (日本ALS協会)

ところで,おとといから愛蘭土はダブリンへ,ALSや筋ジスなどの神経・筋疾患患者団体の International Alliance に来ています。
本日は初日で,日本の岡部宏生さんの発表をはじめ,各国からさまざまな発表が行われています。
岡部さんの発表については後ほど報告します。

コミュニケーション支援の話もいくつかありました。
やはりというか当然ながらというか,どの国の方も「コミュニケーション支援機器 ≒ 視線入力装置」といいます。
視線入力装置が万能というわけではありませんが,日本での認知度は本来の潜在能力に比べてあまりにも知名度が低いです。
今回の発表の中でも導入時のトータルコストが 6,000ドル(60万円)という話がでていました。
多くの国の人にとっても安くはなく,その購入資金源についていくつかの報告がありました。
それでも,政府の100%補助で購入したり,ファンドを集めて購入したりして患者さんに提供しています。
日本専用の「伝の心」や「オペレートナビ」のようなスイッチ専用ソフトも,製品は違えどもさまざまな国で使われているはずですが,入力効率や自由度の高さを考えれば,視線入力装置のアドバンテージはどうしても高いと言わざるをえません。
そんなことを書くと「イトウセンセーは視線にこだわり過ぎてる〜」と言われそうですが,あくまでのニュートラルに考察しての結果です。

本日のお昼休みにも,ある参加者がALS患者の岡部宏生さんの口文字を見て,「どうしてあの人は視線入力を使わないのですか?」と質問していました。
他国の方からすれば当然の質問です。

面白かったのはイスラエルでの例。
以下,報告者のコメント。

視線入力は訓練が必要ですから,最初の3ヶ月は訓練してもらいます。
もし,その期間に訓練をさぼっていたら装置は回収します!

支給まではやたら厳密で,いざ支給されるとザルなのは,入学試験だけ難しくて卒業は楽勝なのと同じ。
いわば日本のお国柄ともいえる現象。
イスラエルは実にドライで,患者の死亡などにより使われなくなった装置は,積極的に回収して再利用するそうです。
ベンダーにとっては嬉しくないかもしれませんが,アップデートや改修は必須でしょう。
そのあたりはベンダーでしかできません。
でも,使う母数がどんと増えれば,ベンダーにとってもよい環境になるでしょう。

下の写真は,Tobii PCEye mini を使っているイスラエルの難病患者さん。
Prize4Life という組織のCEOだそうです。
支援機器のコンペティションも企画しているそうなので,このコネで応募しようかと思っています(*^^*)

でも,まずは英語だよなあ〜。

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