絵はともかく最高のマンガ「宮沢賢治の食卓」!

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宮沢賢治の地元花巻で買った「宮沢賢治の食卓」なるマンガ。
絵の雰囲気からしてあまり期待せずに読みはじめたのですが,意外にも最高の内容でした。

私のようにちょっとしたコアな賢治ファンなら知ってます。
その人柄といえば,いたずらが大好きで,おちゃめな面が相当にあったということを。
あの有名なクールに立つ写真は,じつはベートーベンをマネてお遊びで撮ったもの。
教師時代の教科書を完全に無視した破天荒な「授業」はいまでも語り草です。

ボンボンで金銭感覚がなく,どうやら変態的なところが多分にあったようですが,頭の良さは普通ではなく,異様なスピードで速読ができたとか霊が見えたとか逸話に事欠きません。

このマンガは,そんな逸話をまとめたような,よくある賢治本ではありません。
食べ物を切り口に,変人だけど憎めない宮沢賢治を生き生きと描写した素晴らしいマンガです。

作者の魚乃目三太さんについて調べると,奇遇にも私と同じ年月の生まれ。
これまでの作品は,どれも食べ物がらみのようでした。

そうなんですよね。
人が生きていれば,かならずそこには食べ物があるわけです。
いつの時代も誰といても,世の中でどんなことが起きていても食べ物がある。

「宮沢賢治の食卓」では食べ物を軸にしながら,宮沢賢治の人となりをよく描いており,随所に足で稼いだ取材のあとがみられます。
どんなことも「面白い・楽しい」を基本にしていたことを,マンガのひとコマとして描いていたことはファンとしては嬉しいポイント。
この時代では珍しい発想だったに違いありませんから。

これまで,宮沢賢治を聖人や暗〜い感じの人のように思っていた方は必見です。
マンガ一冊読んだら,ぜったいにファンになるに違いありません。

気づけば,私の書棚のように賢治本でいっぱいになりますよ。
下の写真は,これでもごく一部。
全集などを収めようとすれば大きな本棚がそれだけで埋まってしまいます。

久しぶりに,じっくり原書を読みたくなりました。
ほとんど意味不明だったりするのですが。

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