(ご報告)肺がんになったのでしばらく大学をお休みします

私は「肺がん」患者となりました。

現在,出雲国を離れて最愛のイーハトーブの地で治療を開始しています。
がんは,すでに進行している状態ですので,もしかしたら余命はあまりないかもしれません。
うん,私にとっても,たいへん急なできごとではありました。

これまで,多少の戸惑いはあったものの,今は真正面から事実を宿命として受けとめています。
楽しいことも苦しいことも生きているからこそ。
すべてをしっかり味わいたいと思います。

この数週間は,シゴトの整理やマストの業務で大変でしたが,入院してからは比較的平穏に暮らしています。
大学の関係者には大変なご面倒をお掛けしました。
残務を引き受けてくださった学科の教員のみなさま,この場を借りて感謝申しあげます。

まずは2週間の入院予定で,今日(11月22日)は6日目。
岩手医科大学附属病院の大部屋患者を元気に演じております。
ここは敬愛する宮沢賢治が入院した病院ですからね。
宮沢賢治マニアとしては大満足。

本来であれば,関係者みなさんには直接お伝えすべきでした。
このような形でのご報告になり申し訳ありません。

治療(たぶん延命程度)

がんの進行や手術のデメリットを考慮して,化学療法での治療となりました。
この方法では根治は難しいはずなので,私としては延命措置と捉えています。

薬剤は2017年2月に迅速承認されたキイトルーダ
がん免疫療法を実現する,健康保険が適用される数少ない薬剤です。
免疫チェックポイント阻害剤といわれ,オプジーボ同様に極めて高額

なんと一回分の価格は82万円
200mg を3週間に一度点滴していくと,年間*,***万円の超高額なお薬となります。
納税者の皆様,申し訳ありません。

適用要件としては,生検したがん細胞に PD-L1 というたんぱく質が高い割合で発現していることだそうです。
私の場合は70%以上の発現ということでしたのでラッキーです。

唯一,期待できる点としては,これまでの抗がん剤と違って副作用が比較的少なく,効く場合はたんへよく効き,治験でも有意に好成績を叩き出していることです(参考)。

ただし,確率的には根治は困難なはずなので,光免疫療法などの画期的な治療法を待ち望んでいます。
光免疫療法の治験には参加したいのですが,その方法がわかりません。

これからのこと

いろいろなことが未定です。
現状ではまだまだ元気ですので,やりたいことは前もって積極的にやっていきたいです。

これまでたくさんの重度障害者と関わってきました。
自分自身が生命にかかわる重大な疾患になることで,そのような方々の気持ちが分かりやすくなったように感じています。

もしかしたら,これから本当の支援技術の研究ができるのかもしれません。

やりたいこと

  • 本を1冊以上出版する
  • 子どもらと遊ぶ
  • 講演会・研修会を1回/月以上行う
    どなたか企画を!
  • 光免疫療法で治療する
    どうしたらいいのでしょう?
  • 平成30年度後半には大学復帰

よかったこと

  • 妻がいること
  • 子どもがいること
  • 生命保険に入っていたこと
  • 任期なし教員になれていたこと
  • その他たくさん

後悔していること

  • 身体を大切にしなかったこと
  • 家族と離れて暮らしていたこと(ここ2年は単身赴任でした)
  • たくさんの無駄な時間を過ごしてしまったこと

これまでのメモ

10月19日 日本賞受賞
10月24日 9月はじめの職場(島根大学)での健康診断の結果,「肺がんの強い疑い(E2)」の通知を受ける
10月25日 松江日赤病院にて レントゲン・CTおよび血液検査等の結果を確認し「肺がん」であることを確信!
10月27日 松江日赤病院にて MRIPET検査(転移なしを確認)
10月30日 長期療養は必至と考えて岩手への引き上げ準備開始(東京から母親に来てもらう)
11月01日 松江日赤病院にて検査入院で気管支鏡検査(胃カメラの10倍の苦痛!)
11月03日 八王子で友人結婚式/渋谷で遺影ならぬ遺フィギュア撮影
11月04日 大学の研究室や実験室の整理
11月05日 命がけで「重度障害者のための視線入力シンポジウム in 出雲国」 を開催/引越し準備
11月06日 引越し完了/大学の残務調整/学部長・学科長に状況報告/松江→盛岡の中間地点である三島市内で一泊
11月07日 三島を出発して盛岡入り(富士山が綺麗だったな)
11月08-11日 盛岡での新居準備
11月12日 ムスメ弐号の七五三(盛岡八幡宮)
11月13日 織田友理子・洋一さんが盛岡に来る(ありがとう!)
11月14日 盛岡タイムスによる日本賞の取材
11月16日 岩手医科大学附属病院に入院
11月17日 免疫チェックポイント阻害剤「キイトルーダ」点滴/偶然にも「肺がん撲滅デー

その他

「ポランの広場」に“セカンドライフ”というカテゴリーを追加しました。
まさに,第二の人生を歩み始めた私。
現状を客観的に俯瞰しつつ,セカンドライフについて記していきます。

2017年11月22日
伊藤史人
岩手医科大学附属病院にて

9 件のコメント

  • 伊藤史人様
    Facebookでいつも投稿見ていました。
    私も母が10月26日に大腸がんからの肝臓転移で余命数週間~数ヵ月と言われました。
    両親のみまもりをしています。
    看護師を辞めて親のことを見れるので良かったと思っています。母は、80歳。伊藤さんはまだこれからですから。生きる力、生命力を信じていってください。

    癌を受け入れることができないとおもいます。急で何がなんだかわからないうちに入院になって。
    お力添えはできないかもしれませんがいい方向に行くことを祈ってます。
    Facebookのokadayukaこと岡田優香

  • 大変ですね!肺がんは、お袋が7年前に手術して右側を切除しました。
    私も、以前に甲状腺右側を切除しました。
    又、今年のお盆から2回目の入院でもうすぐ2ヶ月になります。
    お互いに治療に専念して頑張りましょう!

  • 人には、神がかった力があります。
    生きたいと言う気持ちを人の2倍いや5倍持って治療に専念して下さい。
    寛解されます様、祈念致します。

  • 初めまして。
    NaoのたまごさんがFacebookでシェアなさったのを見つけて驚きました。
    PADMそしてWheelogを通じてご活動を拝見しておりました。
    是非ともの寛解をお祈りいたしております!
    お大事になさってください。

  • あまりの驚きになんとコメントしたら良いのか分かりません。
    必ず元気になってお会い出来ると信じています。
    その日が一日も早く来ることを願っています。
    それじゃないと寂しすぎますよ。

  •  伊藤先生、はじめまして。先生の御講演を2年前の仙台で行われた神経難病ネットワーク学会でお聞きして、先生の難病患者様への情熱に本当に胸が熱くなり、講演後の質問に気さくに親身になって答えてくださった先生のお人柄に感銘をいただき、ユーチューブで追っかけ、そして今年からフェイスブックでフォローさせていただいてました。
     医療の技術は日進月歩ですので、最先端の治療がご家族様の愛とともに、先生のお身体にパワーが注ぎ込まれて、不思議なCHEMISTRYが起こり、ご快復されることを全国、いや世界中の皆さんきっと、心から願っていると思います。どうぞよろしくお願いいたします!

  • 伊藤先生覚えてらっしゃいますか?
    (株)島根マツダ廣江です。数日前何気に伊藤先生のホーム画面を拝見致しました。ビックリして声も出ませんでした。病気に負けず完治されましてご活躍されます事期待しておりますので、島根にお戻りの際は是非お元気なお顔を拝見したく存じます。

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